♪♥ このページは,元の教材「高校数学の基本問題」の「順路」について,サーバ・トラブル等に備えてバックアップ・ファイルとして作成したものです. ♫♣ ただし,学習の記録は付いていません. • 樹形図・辞書式配列 • 階乗 • 順列 • 重複順列 • 隣り合う並べ方 • 両端指定,整数の順列 • 円順列,じゅず順列 • 組合せ • 組合せ(練習問題) • 組合せ(文章題) • 組み分け • 同じものがあるときの順列 • 順路 • 番号札のもらい方 • 重複組合せ • 重複組合せ(文章題) • 約数の個数・総和 • 二項定理・多項定理 • 順列,組合せ,確率(共通,センター問題) 《解説》 (考え方)
順路を式や文字に対応させることができれば取り扱いが容易になります.
東に移動することをe(eastの略),北に移動することをn(northの略)で表すと,右の茶色の順路はeneenenに対応しており,青の順路はnneeneeに対応しています.A地点からB地点へ,遠回りせずに行く限り,どの順路も東向きに4回,北向きに3回移動していることが分かります. eが4個,nが3個(同じものが)あるときの順列の総数を求めれば,それが順路の総数になります. (答案) =35通り・・・(答) ■ 余談1 右図のように,平行線の幅が異なる場合でも,上の答案でよい:それぞれの順列,例えばenneeneにおいて,はじめのnは御池から丸太町への移動,・・・,はじめのeは西大路から千本への移動,・・・というように意味付けできるからです.
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■ 余談2
順路の問題を組合せの項目で教えるか,順列の項目で教えるかは,先生しだいです. 筆者は,「同じものがあるときの順列」で教えたほうがよく理解されるという経験則から,順列の項目で教えます.しかし,多くの教科書で順路の問題は「組合せ」の項目にあります.これは,「同じものがあるときの順列」を組合せで説明する方法をとっているからです.
同じものがあるときの順列の総数は組合せ nCr を用いて解説されることが多いので,これらの関係を示す.
aabbb のように同じものを2個と3個含む文字列を並べ替えてできる順列の総数は, 通り であるが,それぞれにおいて a の場所さえ決めれば残りの場所は b に決まる. 例えば abbab では a の番号を1番と4番の2つに決めれば残り2,3,5番は b になる.したがって,aabbb の並べ替え方は,異なる5個の番号札から a の行き先の番号札2個をもらう方法の数 5C2 に等しく,組合せの公式 5C2==10 でも求められる. ※ もちろん,b の行き先の番号札3個をもらう方法の数 5C3 で計算しても同じになる. 5C3==10 |
《問題》 正しいものを選んでください.
選択肢をクリックすれば採点結果と解説が出ます.暗算では無理ですから計算用紙で計算してから答えてください.
解説
通り
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≪2≫
解説次の図のような街路において,A地点からB地点まで最短経路で行くとき,途中P地点を通る方法は何通りありますか. (AからP,PからBに行くことにすると,黄色で示した2つの長方形で各々順路を考えればよいことになります.結果は積の法則でまとめます.)
通り
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≪3≫
解説次のような街路において,A地点からB地点まで最短経路で行くとき,途中P地点を通らない方法は何通りありますか. (全体-Pを通る方法)を計算するのが楽です.
A地点からB地点に行く順路は全部で通り そのうちで,A地点からP地点を通ってB地点に行く順路は 通り これらの差を求めると 210−80=130通り …(答) |
≪4≫
解説次のような街路において,A地点からB地点まで最短経路で行くとき,途中Q地点とP地点を通る方法は何通りありますか.
A→Q: 4!÷(2!2!)=6通り
Q→P: 2!÷(1!1!)=2通り P→B: 4!÷(3!1!)=4通り これらを積の法則でまとめます. 6×2×4=48通り …(答) |
≪5≫
解説次のような街路において,A地点からB地点まで最短経路で行くとき,途中Q地点を通らずP地点を通る方法は何通りありますか.
(Pを通る方法)−(PもQも通る方法)と考えると楽です
Pを通る方法は≪2≫の結果から80通りPもQも通る方法は≪4≫の結果から48通り これらの差を求めると 80−48=32通り …(答) (別解)・・・直接数える場合 Q地点を通らずP地点を通る方法には,(ア)右図のRを通る方法と(イ)Sを通る方法がある. (ア)Rを通る方法は
A→R:4通り
(イ)Sを通る方法はその各々について,R→P:1通り その各々について,P→B:4通り 積の法則により,16通り
A→S:4通り
和の法則により,16+16=32通り …(答)
その各々について,S→P:1通り その各々について,P→B:4通り 積の法則により,16通り |
解説
街路の一部が欠けているときの考え方として,
(ア)の方法でこの問題を解くときは,下図Cを通るものを全体から取り除きます.
(ア) 全体から,欠けた部分を通るものを引く方法 (イ) 検門を作り,場合分けする方法 があります. 全体=9!÷(4!5!)=126 Cを通るもの=6!÷(3!3!)×3!÷(2!1!)=60 126−60=66通り …(答) > (イ)の方法でこの問題を解くときは,例えば右図●印のような検門を通るものを和の法則でまとめます. 6!÷(2!4!)×1=15 + 6!÷(2!4!)×3!÷(2!1!)=45 + 6!÷(1!5!)×1=6 15+45+6=66通り …(答) (検門の作り方には工夫が必要です--すなわち,それらの検門でAからBへ行く道が「もれなく」「重複なく」数えられることが重要です.右図●印のような検門と左の●印の検門を併用すると,両方通るものが登場してしまいます。) |
≪7≫
解説次の図のような街路において,A地点からB地点まで最短経路で行くときに,途中の○の地点で買い物をしなければならないとすると,行き方は何通りありますか. |
≪8≫
解説次の図のような街路において,×印の所が通行止めになっているとき,A地点からB地点まで最短経路で行く方法は何通りありますか.
(全体)−(通行止め区間を通る道の数)で計算すると楽です.
AからBに行く順路は全部で 通り 通行止め区間を通る方法は,上記≪7≫の結果から 30通り 求める方法は 126−30=96通り…(答) |
解説
左上の欠けた部分を通る道は,必ずC地点を通ります.また,右下の欠けた部分を通る道は必ずD地点を通ります.そこで,全体から,Cを通るものとDを通るものを取り除きます.
全体: 9!÷(5!4!) Cを通る: 5!÷(4!1!) Dを通る: 6!÷(5!1!) (C,Dの両方を通ることはありません.) 126−5−6=115通り…(答) 検門を作る方法では,右のP,Q,Rのような検門で待ち受けると「もれなく」「重複なく」数えることができます.
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解説 |
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